再会〜Je N'Pourrai Jamais T'oublier〜

あれは確か数年前、なりゆきで立ち寄ったゲーセンでの衝撃的で運命的な出会いでした。
そこに今は亡き伝説の遊戯機・ツッコミ漫才のゲェム*1
私は何の目的も無く漂う難破船の如く周囲をうろついておりましたところ、その遊技機に果敢にも挑む一人の勇者を目撃したのでありました。

名も知らぬ彼氏は、ハチマキ状に巻いたお洒落なバンダナ。
タイトに着こなした長袖のシャツ。
さらにタイトなストーンウォッシュのジーンズ。
腰に輝くウエストポーチ。
長旅にくたびれたかのようなサンドバッグ形状の小汚いズタ袋を携え、颯爽とその魔物の前に立ち向かったのでした。
私を含めた数十名の庶民達は彼を取り巻き、じっとその勇姿を*2見守るばかりでありました。
彼は木偶人形の前に立つとまず、何故か一礼をしました。
それは敵に対しても礼儀を怠らないという彼のこだわりなのでした*3
彼と木偶人形の世紀の一戦が始まりました。彼は冷静かつ的確にポイントを積み重ね、最終的には超人的なスコアを叩き出して一戦を終えたのでした。
戦いを終えたあとも一礼を怠らない彼は紳士そのものでした*4
そして周囲の歓声*5にわき目もふらず、小汚いズタ袋を肩に掛け、颯爽と立ち去るのでした。カ、カッコイイ〜〜*6!!
そんな名も知らぬ彼を、あたし達は敬意と憧れの念を込めて『春風亭ポシェット師匠』と呼び崇めたのでした。
 
そして月日は流れ…。
閉店間際のゲーセンに来た私は例のクイズゲームで遊びにきました。
そこに彼は現れたのです!
以前と変わらぬお洒落なハチマキ状のバンダナ。
ヨレヨレの半袖シャツ。
そして腰に輝くトレードマーク。
彼だ!ポシェット師匠だ!
鞄はズタ袋からワインレッドのショルダーバッグに変わっていましたがそのダサさは彼以外に持ちようの無いカッコ悪さでした。
ポシェット師匠はそのゲームにて『白金賢者』なる神々しい称号を得ておりました。
賢者ポシェット様は何やら重々しい魔術書*7を携え、目の前の敵*8と格闘しておられました。
嗚呼、賢者ポシェット様、貴方様はいつまでも荊の道を歩み、そしてポーチを揺らして颯爽と巨悪に立ち向かうのですね!
ガンバレ!ポシェット様!
ネバーギブアップ!ポシェット様!
ナイスポーチ!ポシェット様!!
 
ポシェット様と同じゲームやってるわしは…。もう潮時だな…。

*1:〜つっこみ養成ギプス〜 ナイス★ツッコミ。ジャンルはクソゲー

*2:冷たい目で

*3:漫才スタートの一礼をちゃんとやってる。ゲームなのに。バカですね。

*4:バカまるだし

*5:引いてる

*6:嘲笑100%の大爆笑

*7:問題と答えをプリントしたと思われるとんでもない厚みのカンペノート

*8:日本全国のポシェッター達